猫との暮らし

猫が病院を嫌がるのはなぜ? 猫の通院ストレスを軽減する4つの対策

顔を洗う白猫

猫はそもそも、環境の変化を強く嫌う動物です。
猫が乗物や病院を嫌がるのは、その性質からして自然な事ですので、大人しくしてくれないからといって、決して叱ってはいけません

この記事では、猫の通院時や病院でのストレスを和らげてあげる為の対策を4つご紹介します。

猫が病院を嫌がるのはなぜ?

猫は屋内で飼う事が常識となっている為、普段は平和に暮らしていますが、体調を崩した時やワクチンの接種、健康診断等で動物病院に連れて行く必要が発生した時、単に猫を外出させるという事だけをとってみても、どれほど猫には耐え難い事態であるかという現実に直面し、驚くと同時に、途方に暮れてしまう事もあります。

猫は自分の身を置く環境が変わる事に非常に敏感な動物ですから、急に知らない場所に移動させられたり、慣れない動物の気配がする場所(=病院)に置かれたりすると、緊張や恐怖を感じて強いストレスを受けてしまいます。

例えば、何気なく猫をだっこして玄関から外に出るだけでも、驚いた猫はあなたの腕の中から一瞬で飛び出し、どこかへ一目散に走り出して、そのまま行方が判らなくなってしまう事もあります。

或いはまた、病院へ行く為に何気なく猫を自動車に乗せると、環境の激変ぶりに興奮し過ぎて、シートに吐いてしまったり、お漏らししたり、逃げ場を探して車の中で大暴れする事もあります。
猫にとっては、自動車のように初めて経験する環境は、命の危険に晒されているのと同等のショックですから、その反応も人間の予想を超えたものになりがちです。

猫を病院に連れていくと言う事は、それだけ猫に大きな負担を強いる事でもありますので、少しでもその負担を軽減してあげられるよう、通院が必要となるずっと前から準備を始めておく必要があります。

猫の通院ストレスを軽減する4つの対策

猫の通院ストレスは、病院の中だけでなく、行きと帰りの移動の際にも発生しています。 なぜなら、外出に慣れていない猫にとっては、玄関を出た瞬間から緊張の連続ですし、自動車等の慣れない乗り物に乗せられれば、益々緊張を強めてしまうからです。 その為、通院と似た経験を段階的に経験させ、慣れさせておく事ができれば、通院時のストレスも確実に軽減できます。

そこで、おススメのストレス軽減対策を4つ厳選してみました。

  1. 猫用のキャリーバックに普段から慣れさせておく
  2. 動物病院の中にいる時間をできるだけ短くする
  3. 洗濯ネットに入れると落ち着く
  4. 病院から帰宅した猫の回復を促す

以下、それぞれ詳しく解説させて頂きます。

猫用のキャリーバックに普段から慣れさせておく

猫を病院へ連れていく為のキャリーバッグは、いずれ必ず必要になるものなので、もしまだ用意していないのなら、すぐに購入しましょう。 バッグの中から、猫がいつでもあなたを見る事ができるように、バッグの上部や横にも窓が付いていて通気性の良いものを選びます。

猫のキャリーバッグ

キャリーバッグを入手したら、猫が普段いる部屋に置いて、バッグの中には猫のお気に入りの布団や毛布を敷いてあげます。 猫は狭い空間を好む性質があるので、キャリーバッグの中にいる事を気に入ってくれる可能性があります。 キャリーバッグの中にいる時に大好きなおやつをあげたり、おもちゃを入れたり、マッサージしてあげると、更に効果的です。

外から鍵がかけられるタイプのキャリーバッグであっても、家の中にいる間は自由に出入りできる状態を保って下さい。 閉じ込められる経験をすると、猫がキャリーバッグに入りたがらなくなってしまう可能性があります。 いくら狭い空間を好むとは言っても、閉じ込められるのは嫌がります。 バッグに鍵をかけるのは、それが必要な時だけに限定しましょう。

病院に行く時だけ猫をキャリーバッグに入れると、バッグと病院が猫の頭の中で結びついて、バッグに入るだけでも強いストレスになってしまいます。 バッグの中を、あたかも自分の隠れ家のように思わせる事ができれば、猫を病院へ連れていく時のストレスも、かなり軽減できます。

バッグの中にいる事に十分慣れたら、バッグごと静かに持ち上げて部屋の中を少し移動してみましょう。 最初は驚くかもしれませんが、繰り返すうちに慣れてきます。 激しく動かす必要はありませんし、1日に1回か2回動かすだけでも効果は十分です。 慣れるに従って、家のいろいろな所へ移動してみましょう。

家の中での移動に十分慣れたら、猫をバッグに入れたまま、いっしょに家の外に出てみましょう。 猫が嫌がる様子を見せたら、すぐに帰宅します。 そしてほとぼりが冷めたころに、日を改めて、またちょっとだけ外出。 こうする事で、猫は次第にキャリーバッグでの外出に慣れていきます。

次は、猫をキャリーバッグに入れて、車に乗ってみましょう。 最初はエンジンを掛けないで車に乗せ、慣れさせます。 何日もかけて慣れさせ、警戒心が薄れてきたら、エンジンを掛けてみます。 エンジンが掛かっていても驚かなくなるまで、根気よく慣れさせて下さい。 そして最終的には、車で近所を走っても怖がらなくなる状態を目指します。 もしも車での移動を苦にしないところまで行ければ、猫が病院に連れていかれる時に感じるストレスも、ほぼゼロにできる事になります。 これは、猫にとって素晴らしいメリットとなります。(中には車酔いする猫もいます。猫が体調を悪くする気配(繰り返し鳴く、泡を吹く等々)を感じたら、いつでもこの訓練を中止して下さい。猫に過度の負担を強いない範囲で訓練してあげる事が大切です。)

こうした訓練は、猫が若い頃から継続的に行うほど、容易で、且つ、効果も高くなります。もし可能なら子猫の頃から始めるのが理想的です。 でも、遅きに失する事はありませんので、できるだけの事をしてあげて下さい。 猫をキャリーバッグでの移動に慣れさせておけば、家から猫を連れ出す事が必要になった時に、猫の負担を大幅に軽減してあげられるので、通院のみに限らず、猫にとって一生を通じての財産になります。

動物病院の中にいる時間を短くする

猫が病院の中にいる時に感じるストレスを、訓練で軽減するのは難しいと考えられます。 しかし、病院の中にいる時間を少しでも短縮してあげる事ができれば、猫の負担も相応して軽減できるはずです。

いかに外出に慣れさせた猫であっても、犬や薬品の匂いがする動物病院の中では、ストレスを受けない訳にはいきません。 これを訓練でどうにかするのは難しいので、病院の中にいる時間を極力短くする工夫をしてあげて下さい。

病院の待合室での待ち時間が短くなるように、できれば診察の時刻を予約しておくと良いでしょう。 私の場合をご紹介すると、夫婦二人で猫を病院の近くまで車で運び、私が一人で順番待ちをし、うちの猫の番が近づいたら携帯で連絡して、妻が車から病院まで運んでくるという体制をとっていました。 動物病院によっては、猫専門であったり、猫と犬の待合室を別々にしているところもありますので、そうした病院を見つけておくのも良いでしょう。

洗濯ネットに入れると落ち着く

キャリーバッグに慣れさせたり、車に乗せたりする訓練と並行して、猫の緊張を和らげる為にすぐにできる追加的対策として、洗濯ネットを利用する事をおススメします。 ネットで「洗濯ネット 猫」で検索すると猫用の洗濯ネットがすぐ見つかるので便利です。

猫には、洗濯ネットが体を優しく包む感じが合っているらしく、暴れている猫でも、洗濯ネットに入れるだけで急に大人しくなったという体験談が、ネット上で複数紹介されています。 また、直接キャリーバッグに入れると、怖がって急に飛び出しり、獣医の先生を攻撃してしまう可能性がありますが、洗濯ネットに入れてからキャリーバッグに入れるようにすれば、そうした予期せぬ行動の予防にもなるので、落着かせる目的と合わせて一石二鳥の効果が期待できます。

病院から帰宅した猫をいたわり回復を促す

通院によって猫が受けたストレスは、帰宅してからも尾を引き、興奮状態が続いたり、逆にグッタリ衰弱してしまう場合もあります。 なので「帰宅したから終わり」ではなく、帰宅してからの猫のケアをしっかりしてあげる事が大切です。

帰宅後には、しばらく猫のそばに寄り添い、頑張った事を褒めてあげる時間を持ちましょう。 猫が喜ぶマッサージ等をしてあげて、猫の気持ちもいっしょにほぐしてあげましょう。 猫の大好物も、この時の為に準備しておきます。 あなたの腕の中でゴロゴロ言い出したら、一安心です。

通院しなければならない日は必ず来る

私が猫を飼い始めた当時は、いきなり猫の大怪我で通院を余儀なくされた事もあり、この記事で書いたような通院時のストレスを軽減する為の対策を、十分にはしてあげられませんでした。 愛猫は文句も言わずに、治療だけでなく数日の入院にも耐えてくれていましたが、車に慣れる訓練を少しでも出来ておれば、どれほど猫の負担が軽くて済んだかと思うと、残念な気持ちで一杯になります。

猫を飼うからには、猫を病院へ連れていく時が必ず来るはずです。 その日の為に、今から猫を通院のストレスから守る為の訓練を始めてあげて下さい。 猫を病院に連れていく時が来ればきっと「訓練しておいてよかった」と思って頂けるでしょう。

まとめ

猫を動物病院に連れていく時には、以下の事柄に留意する事で、猫のストレスを軽減できます。

  • 猫用のキャリーバッグで外出する事に慣れさせておく
    (洗濯ネットに入れれば更に落着く)
  • 猫が病院内にいる時間を短縮できるよう工夫する
  • 帰宅後も猫をいたわり、ストレスからの回復を促す

猫にとって通院は、非常に過酷な試練ですが、事前に少しづつ慣れさせる訓練を続ける事によって、その負担は大きく軽減できます。
ぜひ可愛い愛猫の為に、実践してあげて下さい。