潜在意識

潜在意識の恒常性維持機能(ホメオスタシス)と共に生きる

ひらめき

潜在意識の機能の一つとして恒常性維持機能(ホメオスタシス)をご紹介しましたが、更にもう少し補足してみます。

恒常性維持機能は、生き残る為の最善手

恒常性維持機能とは、外部環境が変化しても体内の環境を一定に保つ機能の事を言います。

体温、血圧、体液のpH、ホルモンバランス、血糖値、血中酸素濃度・・・・
無数ともいえる体内のパラメーターが、恒常性維持機能によって、無意識的(=自動的)に一定レベルに調節され続けています。

そうした方が、生き延びる為に、圧倒的に都合が良いからです。
行動範囲もある程度限定した方が、未知の危険に遭遇する可能性を低く抑える事ができます。
動物に限らず、人間にも「縄張り根性」というものが見られますが、これも広義の恒常性維持機能の顕れと言えるでしょう。

見慣れないものに食欲がわかないのも恒常性維持機能

食物についても、見慣れない植物や動物には、食欲すら感じないものです。
食べ慣れたものを食べ続ける方が、何でも片端から口に入れてしまうよりも「無難」だからです。

日本人のようにタコを食べる民族もありますが、タコを食べない民族の方が多数派です。
ヌルヌル、ニョロニョロしたものは、食べない方が無難なようです。
タコを食べるのは、その民族に「タコは食べても大丈夫」というコンセンサスが確立しているからです。 

民族のコンセンサス外のものを好んで食べるのは「奇人変人」であり、そのうちに何か変なものを食べて病気になったりします。

新しい事に抵抗を感じるのも恒常性維持機能

人間は、新しい事を始める時に強い抵抗を感じるようにできています。
新しい事を始める事に何も抵抗を感じないようでは、次々に新しい事を始めて、極めて危なっかしいからです。(冒険家や登山家等がその典型です。)

昨日まで狩りで生きてきたのなら、今日も狩りに専念した方が無難なのです。
昨日まで農業で生きてきたのなら、今日も農業に専念した方が無難なのです。
海岸で暮らしてきたのなら、今後も海岸で暮らす方が無難なのです。
山岳地帯で暮らしてきたのなら、今後も山岳地帯で暮らす方が無難なのです。
暖かいところで育った人には、雪国での生活なんて考えられませんが、雪国で育った人には、少々の積雪なんてへっちゃらなのです。

厳冬の北海道で生きるホームレスのドキュメンタリーを見た事があります。

どうせ食が確保できるなら、なるべく温暖なところの方が暮らしやすそうに思えてしまいますが、彼らは歯を食いしばってでも極寒の地で頑張り続けます。
その主な理由は、多分彼らが「北海道育ち」だからです。
彼らの恒常性維持機能が、南国への脱出を阻んでいるのです。

恒常性維持機能が、短期的には「生存に不利」な方向に働く場合もあると言えそうですが、それほど強力に人の心を支配しているという事も言えるでしょう。

変化にも対応する恒常性維持機能

そんな事を言っても、人間は赤ちゃんから老人になるまで

「変わりっぱなしではないか?」

という疑問を感じる方もおられると思います。

確かに人間は、生まれてから墓に入るまで、変わりっぱなしです。

学校も進学があるし、学校を出てからも就職はあるし、転職もするし、結婚はするし、熟年離婚も有ったりして、人生は「変化」の歴史であるとも言えます。
でもそれは、常に変化する環境に対して、恒常性維持機能がそれを受け入れやすくする為の「行事」の歴史と見る事もできるのです。

幼稚園の生活に慣れてきたと思ったら、もう小学校に上がらなきゃならない。
その時、内心では凄い抵抗感があったはずです。
でも、まわりでみんなが「卒園式」だって祝ってくれて、ランドセルや教科書やノートを買ってもらい、その次は「入学式」でお祝いムード一色です。
しかも、それは自分だけじゃない。blank

「この歳になれば、みんな小学校に上がるものなんだ。」

(毛ほどの疑いもなく)納得してしまえば、恒常性維持機能も妥協せざるを得ないのです。

中学校に上がる時も、高校に進学する時も、大学に進学する時も、新入社員として入社する時も、常に過去にケジメをつける為の行事があり、その次には新らしい世界に踏み込む為の行事がありました。
新しいこと」でも、それが「自然な事」「必要な事」と心から納得できるのならば、恒常性維持機能も、カチッと一歩前進できるようになっているのです。

しかるべき「変化」とはすなわち、人としての「成長」であり、頑固な恒常性維持機能も道を譲る、人生に欠かせないイベントなのです。

重大な岐路に立たされた人が、「私は、腹をくくりました!」と、その決意の固さを語る事がありますが、これは「顕在意識と潜在意識の足並みが揃いました」という意味であり、今から未知の世界に飛び込んで行く不安は有るものの「恒常性維持機能による撤退はありません」という自分に向けての宣言でもあるのです。

まとめ

この記事では、恒常性維持機能について補足しました。
ポイントは以下の二点です。

・人は、「変化しない」又は「新しい事は、やらない」という事を優先させる潜在意識の強い誘導を受けている。

・ただし、予め顕在意識と潜在意識との間に合意がなされているか、あるいは潜在意識が受け入れやすい状況がセッティングされている場合には、「変化する」事が可能となる。そうした「変化」を「成長」と呼ぶ。