猫との暮らし

猫の去勢と避妊、そのメリットとデメリットとは?

仰向けの子猫

愛猫に、去勢避妊は必須なのでしょうか?
元気にしているのに、わざわざ手術を受けさせる事に抵抗を感じる飼主さんも少なくありません。

手術を受けるべきか、受けないべきか、全ての飼主に共通する答えはありません。
それは飼主が、去勢・避妊について正しく理解し、根拠を持って判断すべき事です。

ですので、この記事では去勢・避妊のメリットとデメリットについて解説します。
メリットとデメリットをよく理解してから、去勢・避妊の手術を受けさせるかどうか飼主の責任として、しっかり判断して下さい。

去勢手術の概要と受けさせるメリット

オス猫の生殖能力を無くす手術を去勢と言います。
去勢手術は、オス猫の精巣を摘出するものです。

麻酔に要する時間も含めると1時間程度かかります。
(その時の状況によって所要時間は違ってきます。)
日帰りできる場合が多いですが、状況によっては入院の可能性もあります。
その判断は獣医さんに任せましょう。

去勢手術を受けさせる事のメリット

オス猫は、生後半年くらいから、遅くとも1年以内には性成熟します。
特に決まった発情期はありませんが、発情期のメス猫と出会ったり、匂い(フェロモン)を嗅いだり、声を聞くだけでも発情し、発情すればいつでも交尾が可能です。

喧嘩するオス猫

メス猫の存在を感じているのに交尾できない場合は、強いストレスになり大きな声で鳴き続けたり、スプレー行為という問題行動(人間には超迷惑)を起こしやすくなります。

去勢手術を受けさせた場合、発情しなくなる場合が多いですが、仮に発情したとしても問題行動は軽微で済むのが殆どと言えます。
また、メス猫やテリトリーに関する事で他のオス猫と喧嘩する事も、ほぼ無くなるので、怪我をしたり、猫エイズ等の感染症に罹るリスクも大幅に軽減できます。
怪我や病気になる可能性が減るので、長生きにも繋がります。

愛猫にお嫁さんを迎えて、子供を作らせるという可能性が無いなら、去勢手術を受けさせる事を強くおススメします。

避妊手術の概要と受けさせるメリット

メス猫の生殖能力を無くす手術を避妊と言います。
避妊手術は、メス猫の卵巣を摘出するものです。
子宮も同時に摘出するのが一般的ですが、その分だけ猫が受ける手術の負担は増えるので、いろいろ獣医さんと相談して決めて下さい。

手術は、麻酔に要する時間も含めると1~2時間かかります。(その時の状況によって所要時間は違ってきます。)
1~3泊程度の入院が必要になります。
1泊で帰宅できる場合が多いですが、その判断は獣医さんに任せましょう。

避妊手術を受けさせる事のメリット

メス猫は、一度の出産で3~5匹の子猫を生みます。
メス猫の発情期は年に2~4回くらいあるので、自分で飼うのも、誰かにもらってもらうとしても、すぐに限界を迎えます。
だからといって保健所に持ち込んで殺処分するなんて論外です。
猫を捨てるのは違法です。
ブリーダーでない限り、ペットとしてメス猫を飼うなら、避妊手術を受けさせる事を強くおススメします。

ストレスを受けるメス猫

屋内飼育でオス猫との出会いを断てば、妊娠はしないものの、発情期を迎える度に猫は強いストレスを感じ、苦しませる事になります。
また、発情期だけを繰り返して妊娠しない状態が続くと、卵巣や子宮に関係する病気を発症する確率が高まると言われています。

逆に、避妊手術を受けた猫は、ほぼ発情しなくなるので、余計なストレスを感じる事もなく、卵巣や子宮に関する病気を発症する事も無く、乳がんになる確率も低下するので、健康で長生きする事に繋がります。

私が初めて猫(オスのノラ)を飼い始めた当時は、まだ飼猫に外出させるのが当たり前の時代でしたので、しばしば外の猫と喧嘩をして、怪我をしていました。
また、猫のスプレー行為の事も知らなかったので気づくのが遅れましたが、気がついた時には既に家の中のあちこちでスプレーされていました。
酷く臭うのですが、気がついてから叱っても遅い事は判っていたので、どうする事もできませんでした。

その猫が亡くなって二代目を迎えたとき(これもオスのノラちゃんでした)、早速スプレー行為をされてしまった事にショックを受け、防止策について獣医さんに相談したところ「去勢の一択」との回答でした。
オスの能力を除去してしまう事が可哀そうだと獣医さんに伝えると、
「子供を作るつもりが無いなら、去勢した方が性的なストレスも無く、怪我も無く、猫エイズにもめったに罹らなくなるので、猫自身にとってもメリットの方が遥かに多いですよ。」
と教えて頂き、納得する事ができました。
確かに手術後は、スプレー行為はピタリと止まりました。

初めてメス猫を飼った時も、最初は避妊していなかったので4匹の子猫が生まれました。
3匹は母が勤めていた高校の生徒さんにもらってもらい、残った一匹はウチで飼うことになりました。
この子猫もメスでしたので、親子順番に避妊手術を受けさせました。
メス猫にとって子猫を育てる事は、喜びであると同時に、多くのストレスを抱える事にもなるので、痩せてやつれた感じになってしまうのですが、手術を受けさせてからは、ゆったり、のんびりと平和に暮らし、かなり長生きしてくれました。

その娘猫は、幼い頃に避妊したせいか半分オスみたいな感じの猫に成長し、しょっちゅう出歩いていましたが、そのままある日を境に帰ってきませんでした。
何があったのか判りませんが、当時は「子供を生んでいないメス猫の皮は三味線に使えるので、そういう専門の人に盗られたのかも知れない。」という噂があり、だとしたら可哀そうな事をしたと残念に思いましたが、猫の外出自由が当然の時代でしたので、特に後悔もしませんでした。「去勢をすると太る」と言われますが、私の知る限りでは、手術後に太った子はいませんでした。たまたまかも知れませんが・・・

去勢・避妊手術を受けさせるデメリット

当然ですが、一度手術を受けさせてしまえば、二度と子供を作らせる選択肢は復活しません。
めったに無い事とは思いますが、後から後悔する可能性が無いかどうかは、しっかり考えてから決めて下さい。

去勢・避妊のいずれであっても、ホルモンの状態が変わって代謝が下がる事から、太りやすくなると言われています。
私には、手術後に猫が太ったと感じた事はありませんが、もしかしたら気がつかなかっただけかも知れません。

猫は顔が太る訳ではないので「太ったな~」と見ただけで感じるようなら、相当太り過ぎに状態になってしまっている可能性があります。見た目で判断するのは難しいので、定期的に体重を測定して管理してあげる必要があると思われます。

代謝が下がるのですから、手術前と同じ量を食べていても太ってしまいます。
まずはよく遊ばせる事を心がけ、それでも体重が増えてきたら、食事の内容も考えてあげて下さい。

去勢・避妊、共に全身麻酔で行いますので、麻酔に伴う事故の可能性はゼロではありません。
手術自体も、成功率は高いはずですが、何か問題が起こる可能性もゼロではありません。エリザベスカラーを付けた猫
また手術後1~2週間はエリザベスカラーを付けさせたりして、手術の傷が完治するまで、しっかり見守る必要があります。

手術を受けさせるからには、こうしたデメリットが生じる場合もある事は確かなのですが、問題が起こる可能性の低さに対して、手術から得られるメリットには猫にとっても飼主にとっても多大なものがありますので、やはり子供を作らせる予定が無い限り、早めに手術を受けさせる決心をされる事をおススメ致します。
何かお悩みの事があるなら、動物病院に相談されると良いです。
プロのアドバイスをもらえば、悩みが解消する可能性は高いですから。

手術を選んだ場合、まずは動物病院で説明を受ける

手術する決心をしたからといって、その日に手術してもらう訳ではありません。
まずは猫といっしょに動物病院へ行き、健康診断等してもらってから、手術のタイミングや注意事項等について獣医さんから説明を受けて下さい。

去勢・避妊は、性成熟する前に済ませるのが理想的です。
つまり生後半年から10ヶ月くらいまでに受けさせるのが最善です。
とは言え、性成熟した後でも手術は可能ですので、やはり獣医さんと相談して決めるという点では同じです。

手術の費用は、猫の状態によっても、動物病院の設定によってもまちまちとなりますが、

・去勢=1~2万円
・避妊=2~3万円

程度である事を、おおまかな相場として覚えておくと良いと思います。